ザイオンス効果とは?- 恋愛や仕事で活用できる心理テクニック





「知られている」ということは、それだけで恋愛や仕事(営業など)にとって有利です。

日々、TVやネットで見られる広告について考えてみてください。スポンサーは、商品やサービスについて「知られる」「知らせる」ためだけに、巨額の費用を投じています。

新聞の全国紙の1ページに全面広告を出す場合、約4,000万円が掛かります。

あるいは、政治家が選挙カーに乗ってひたすら名前を連呼しているのを聞いたことのある方も多いでしょう。あれも、鬱陶しいと散々言われながらどうして続けられているのかというと、やはり効果があるからなのだといいます。

このように、「知られる」というのは本来、かなり大変なことなのです。

つまり、貴方が恋愛や仕事(営業)で意中の相手から知られている場合、既に大きなアドバンテージを得ているとも言えるのですが、もちろんそれだけでは仕方ありません。

そこから更に一歩進むには 「どのように知られるのか?」 が重要となってきます。

そこで今回は、ザイオンス効果(単純接触効果)という心理学的テクニックで相手との親密な関係を築く方法をみていきたいと思います。

 

[1]ザイオンス効果(単純接触効果)とは?

 

1-1. 記憶は薄れるもの

一度会って挨拶を交わしただけの相手は、よほど印象が強かったのでもない限り、記憶から薄れていきます。

逆に、毎日顔を合わせて挨拶するご近所の方や、通勤・通学時にいつも同じ列車へ乗り合わせる顔ぶれなどは、別に相手に興味があるわけでなくとも、なんとなく覚えてしまったりするものです。

ここからいえるのは、顔を合わせる(単純接触)回数が多ければ多いほど、対象への興味とは別に、記憶に残るということです。

単純接触の回数が少ないと忘れてしまってそのままとなりますが、何度も記憶が喚起されることで、「覚えた」状態となるわけですね。

1-2. ザイオンス効果とは

ザイオンス効果(Zajonc effect)とは、ある対象に何度も接することで、その対象への印象や好意が高まるという心理的な効果をいいます。

これは、アメリカの社会心理学者ロバート・ボレスワフ・ザイアンスが1968年に提示した理論であり、ただ印象が残るというだけにとどまらず、好意が高まる場合があるというのがポイントです。

なお、“Zajonc”は日本では「ザイアンス」と慣例的に呼ばれますが、カナ表記としては「ザイオンス」や「ザイオン」とも書かれるため、心理的効果についてもザイオンス効果となっています。

1-3. 単純接触効果に関する実験

ザイアンスは、学生らを対象として以下のような実験を行っています。

  • トルコ語を知らないアメリカ人に、いくつかのトルコ語の単語を複数回読ませる。読ませた回数は単語ごとに異なる。そしてそれぞれの単語が良い意味を有すると感じるかどうかを答えさせる。
  • 漢字を知らないアメリカ人に、いくつかの漢字を複数回示す。示した回数は漢字ごとに異なる。そしてそれぞれの漢字が良い意味を有すると感じるかどうかを答えさせる。
  • アメリカ人に、12人の面識のない男の顔写真を複数回示す。示した回数は写真ごとに異なる。そしてそれぞれの顔写真についての好ましさを答えさせる。

これらの実験の結果、トルコ語と漢字については読ませたり示したりした回数が多ければ多いほど、良い意味を有するという回答傾向が確認されました。

また、男の顔写真については、9人の顔写真に関し、示した回数の多いほうが好ましいという回答が確認され、3人の顔写真については回数によって好ましさは変わりませんでした。

参考 Attitudinal effects of mere exposure

ここからいえる結論としては、接した回数が多ければ多いほど対象への好意が生じ、高まる傾向にあるが、顔の魅力については接触回数だけで好意が完全に決まるわけではない、ということです。

 

2]ザイオンス効果で接触する回数と好感度の関係について

2-1. どうして接触するほどに好意が高まるのか?

接触する回数が増えるにしたがって記憶や印象に残る、というのは皆さんもお分かりだと思います。

たとえば英単語などの暗記をする場合、一度テキストを見ただけでは忘れてしまったとしても、何度も繰り返し確認すれば頭に残りますよね。

それと同じように、会えば会うほど頭に残るから覚えられる という訳です。

しかし、不思議なのは好意が高まるという部分です。どうして何度も繰り返し接触すると相手からの好意までが高くなるのでしょうか?

2-2. ザイオンス効果は”恐怖心”を”安心感”に変える

人間には、『知らないものを怖がる』という心理的性質 があります。これは未知のものに不用意に近づくことで受けるかも知れない心身への被害を防ぐための、心理的防衛機能です。

よく、「自分は人見知りだ」 という人がいますよね。これは初対面や関わりの薄い、よく知らない相手に対する恐怖心が影響していると言われています。どのような相手かわからなければ警戒心を持つ、というのはおかしいことではありません。逆に、見知った相手であれば安心できますし、落ち着いて接することができるのです。

一緒にいて警戒する必要のない相手、安心できる相手に対しては好意を持つ事が出来ます。接する回数が多いということは相手の未知性が失われるということであり、それゆえに好意も高まるというわけなのですね。

2-3. 沢山会う回数を増やしても好意が生まれない場合があるの?

ところが、ザイオンスの実験でも示されていたように、接する回数が多いからといって必ずしも好意や親密度が高まるとは限りません。中には、接触回数を増やすことで好感度が下がってゆくケースもあります。

たとえば、ストーカーの場合を考えてみましょう。

毎日毎日相手に付きまとい、声を掛けたり物を贈ったりするわけです。

ザイオンス効果によるならば、これだけ何度も接していれば相当の好意をもってもらえるはずなのですが、そんなことは起こりません。

なぜなら、ストーカーは接触するたびに相手へ恐怖心や不快感、怒りなどの負の感情や印象を与えているからです。

他にも、見るたびに不愉快になるCMや、人当たりの悪い上司など、接触時の印象がマイナスであれば、接触回数を増やしても負の印象が積み重なっていくだけです。

単に何度も会えばいいと誤解し、相手へ不快感を与えてしまわないように気をつける必要があります。

 

 

[3]ザイオンス効果の活用ポイントとテクニック

3-1. ザイオンス効果の活用法

接触回数が重要!

まず気をつけたいのは、接触時間よりも接触の回数、頻度が重要だということです。数時間、数日をずっと過ごすより、1日十数分でもいいので相手と顔を合わせることです。

ザイオンス効果のポイントは、「わざわざ会った」というほどではなく、「顔を合わせた」という程度の接触でも効果が表れるというところにあります。

むしろ接触を意識させずに、「そういえばいつも顔合わせるよね」くらいのほうが始めのうちはいいでしょう。

不快感を与えてしまっては逆効果!

次に注意すべきなのは、その短時間の接触のうちで相手に不快感を与えないこと。

数十の褒め言葉よりも一つの悪口のほうが印象に残るように、人間は快よりも不快のほうが強く受け取られる傾向にあります。

すると不快感ばかりが印象として残ってしまい、逆効果となってしまいます。

3-2. 好印象の積み重ねでザイオンス効果を倍増

ザイオンス効果は、”積極的なアプローチをしなくとも接するだけでもいい” という性質のものですから、敢えて何かをしなくても効果はあります。

でも、それだけでは物足りません。

そこで、『些細なことでもいいから相手に好印象を与える』 努力をするのがオススメです。

  • お洒落な格好をしてみる
  • 笑顔で接してみる
  • 軽く相手を褒めてみる

などですね。

相手に会う場合ではなく、ビジネスの広告などであれば、

  • 好ましい印象のCMを流す
  • おまけを付ける

といった方法があります。

接するたびにいい気持ちになれるなら、「あの人は感じの良い人だ」という印象を強めることができます。とは言っても、やり過ぎると逆効果になりかねませんので、本当にチョットしたことで構いません。

3-3. 知られることから始めてみよう!

いずれにしても、大切なのは、何はともあれ知られること。

スーパーや素人のライブ、ショッピングモールなどで楽曲が流れていた頃は、それを通じて新しい曲を知り、CDなどを買うといった購買の流れがありました。

これも、何度も曲を耳にすることで好意が高まるというザイオンス効果の一例です。知らない曲をいきなり買ってみようという人は、多くはないでしょう。

知られて、馴染みの感情が生まれてからは、振る舞い次第で関係性はいくらでも変化するものです。

それから、どのような情報を示していくかが大事なのです。

 

[4]ザイオンス効果のまとめ

人は日々、とてつもないほどの情報に晒されています。新聞、TV、ネット、書籍、それから対人関係。それらの一つ一つをいちいち覚えていると脳の容量がいくらあっても足りません。

そこで、重要度に応じて記憶に残すべきかどうかを取捨選択するのが人間なのです。

ザイオンス効果は、接触の頻度を上げることで、その選択の際の重要度判断に働きかけるという行為でもあります。親密度を上げるには、なるべく自然な感じで接触を増やすのが効果的です。

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