心理カウンセラーとして学校などの教育分野で働くための資格の種類と活動内容

 

教育現場では、不登校・いじめ・校内暴力・非行・発達障害など多くの問題に直面しており、問題の原因もさまざまで対応に当っては心理学の専門知識や援助が求められています。

教育分野に関る心理カウンセラーとしてどのような資格があり、どのような関り方をしているのか?この記事では、就職できる機関も含めてご紹介します。

また教育分野の心理カウンセラーの代表例として、スクールカウンセラーの活動内容もご紹介していきます。

 

1. 教育分野に関る心理カウンセラーの資格の種類

教育分野に関る心理カウンセラーの資格としては、臨床心理士学校心理士教育カウンセラーなどがあります。教育分野というとスクールカウンセラーが代表例ですが、スクールカウンセラーというのは職業名であり、資格の種類ではありません。

スクールカウンセラーとして働くためには、臨床心理士の資格が必要ですが、准スクールカウンセラーは学校心理士の資格でも良いということになっています。ちなみに、教育カウンセラーは現場の教育者や指導者のための資格です。

教育機関の心理職で「スクールアドバイザー」という職業もありますが、自治体や教育委員会による独自の事業であり、そのようなサービスを行っていない所も多くなっています。

スクールアドバイザーについては、教師へのコンサルティングや助言が主な仕事内容となりますので、ここでの説明は省かせて頂きます。

ここでは、心理カウンセラーとして学校などの教育機関で働きたいと思っている方に役立つ情報として、教育分野に関る心理カウンセラーの資格(臨床心理士・学校心理士・教育カウンセラー)の概要と活動内容をご紹介していきます。

教育分野の心理カウンセラーの資格-① 「臨床心理士」

臨床心理士とは、心理学にもとづく知識や技術を用いて、人の心の問題解決を援助する専門家です。心理カウンセラー資格の中では最も信頼度が高く、専門性も高い資格です。公益財団日本臨床資格認定協会によると、臨床心理士に求められる行為は以下のようにされています。

臨床心理士に求められる専門行為
  1. 種々の心理テストを用いての心理査定技法や面接査定に精通していること。
  2. 一定の水準で臨床心理学的にかかわる面接援助技法を適用して、その的確な対応・処置能力を持っていること。心の支援に資する臨床心理士の最も中心的な専門行為。
  3. 地域住民や学校、職場に所属する人々の心の健康や支援活動をすること。一般的な生活環境の健全な発展のために心理的情報を提供したり提言する活動も地域援助に含まれる。
  4. 上記①~③に関する調査、研究。

出典:公益財団日本臨床資格認定協会

臨床心理士は、心理検査・カウンセリング・関係者へのコンサルティング・情報提供や研修・研究などの心理学に関る専門的な活動を通して、さまざまな分野において心の問題への援助をするということになります。

教育分野の心理カウンセラーの資格-② 「学校心理士」

学校心理士は、学校における様々な問題について「学校心理学」の知識を用いて心理教育的な援助をします。

児童生徒が望ましい発達ができるように援助をするのが学校心理士です。子ども自身は勿論、保護者や教師、学校組織など、子どもを取り巻く要因・環境が対象となります。

学校心理士は、専門的な実務経験が重視されるので学校の管理職や教師が取得する例が多いです。児童生徒へのカウンセリングを行う場合もありますが、教師・保護者を含めた学校環境を整える援助など、子ども達に望ましい教育の整備という面が大きいようです。

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教育分野の心理カウンセラーの資格-② 「教育カウンセラー」

教育カウンセラーとは、教育とカウンセリングの両方に通じた専門教育者です。教育の現場で、教員がカウンセリング知識や技術を活用することで、児童生徒の健やかな成長に寄与する教育者となります。教育カウンセラーは、教育現場に踏み込んだより実践的な活動領域となっています。

スクールカウンセラー等は問題を抱える児童・保護者等に対して外部の第三者的な立場で関ります。教育カウンセラーは、教育現場の指導員や教師自身が教育心理学やカウンセリング技術を習得することによって、児童によりよい教育を提供しようとする立場です。

教育カウンセラーの活動領域
  • 学級運営
  • 進路指導
  • 対話のある授業
  • 特別活動
  • 思考・スキル・感情の教育
  • 個別面接
  • ガイダンス計画・カリキュラム開発
  • カウンセリング
  • コンサルテーション
  • コーディネート
  • 地域・家庭支援

 

2. 教育分野に関る心理カウンセラーの就職と活動内容

教育分野において、臨床心理士学校心理士教育カウンセラーにはどのような機関に就職し、どのような形で教育に関っているのでしょうか?臨床心理士は心理学全般の高度な専門知識を活かして活動し、学校心理士は「学校心理学」の専門知識を活かして活動し、教育カウンセラーは「教育心理学」の専門知識を活かして活動します。

ここでは、それぞれの資格別に就職先や活動内容を紹介します。

臨床心理士の就職先・活動内容

臨床心理士全体としては、教育分野の他に医療分野・福祉分野・産業保健などの活動の場がありますが、最も多いのが教育分野となっています。

教育分野での臨床心理士の就職先としては、学校のスクールカウンセラーや学生相談、特別支援学校、教育相談所や教育センターの相談員、大学等での心理学実験や研究補助などがあります。

大学の研究補助等の他は、相談業務などが多いようです。最近は、発達障害を抱える児童が多くなっており、より高度で専門的な知識も求められるようになっています。

  臨床心理士になるには?

 

学校心理士の就職先・活動内容

幼小中高など学校の他、教育委員会、教育相談所、教育センター、特別支援学校などの教育現場が主な就職先です。

学校心理士になっているのは、教務主任や教頭・校長など学校の管理職や、教育委員会など行政機関の職員が多いようです。教育委員会から依頼を受けて、就学相談など教育相談業務に派遣されることもあるようです。

  学校心理士になるには?

 

教育カウンセラーの就職先・活動内容

教育カウンセラーは、幼稚園・保育園・小中高校・養護学校・大学・専門学校等の教育現場が就職先です。教育の現場や対象によって、どの活動領域がより必要とされるかは違うでしょう。ほとんどは既に、教育機関の教員や指導に関っている人が多いです。

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3. スクールカウンセラーの勤務形態と活動内容

ここでは、教育分野の心理カウンセラーを目指す上での参考として、最も代表的な 『スクールカウンセラー』 の勤務形態や活動内容について紹介しましょう。

スクールカウンセラーとは、文部科学省の「スクールカウンセラー活用事業」において任用される職業名です。この事業において、公立学校への配置・派遣が行われ、現在では全国で1万校を越える学校に派遣されています。全公立学校への配置・派遣を目指して計画が進められています。

勤務形態は、地方公務員法に規定される非常勤の特別職です。週に8時間~12時間までの勤務になります(特例除く)。自治体にもよりますが、勤務時間は6~8時間/日が多いようです。大体、週に1~2回程度の派遣となることが多いようです。私立学校や大学等では、学生相談室勤務などの常勤もあるようですが、公立学校では非常勤勤務です。

時給は3,000円~5,000円程度です。自治体によります。

スクールカウンセラーの主な活動内容

スクールカウンセラーは、派遣先の学校に行くと相談児童の担任や養護教員等との打合せや予定を確認します。問題を抱える児童のカウンセリングが主な仕事内容となります。

継続的な観察やカウンセリングを行うことが多く、非常勤とは言っても責任がありやりがいのある仕事です。必要に応じて心理検査や心理療法などを用い、関係機関と連携をします。

教師・保護者へのコンサルティングや情報共有も大切です。授業や特別活動などの観察もしますし、時には家庭訪問もします。

報告書の作成などは時間外になることも多いようです。学校の会議や、教育関係機関の連絡会や研修会などへの参加もあります。児童生徒の相談内容では、不登校児・発達障害・進路指導などに関る内容が多いようです。

 

4. 教育分野の心理カウンセラーの資格取得について

この記事でご紹介している『臨床心理士』・『学校心理士』・『教育カウンセラー』の資格取得方法については、それぞれ別の記事で詳細を解説しています。詳しくは、下記リンクよりアクセスしてください。

 

5. まとめ

この記事のまとめ

教育現場では多くの問題が発生しており、心理学の専門家による援助が求められています。

教育分野に関る心理カウンセラーの資格としては、臨床心理士、学校心理士、教育カウンセラーなどがあります。それぞれの資格によって、教育現場への関り方・活動内容は違います。

教育分野に関る心理カウンセラーの代表例は、文部科学省のスクールカウンセラー事業によるスクールカウンセラーで多くの臨床心理士が携わっています。全ての公立学校への配置を目指して計画が進められています。教育現場で心理カウンセラーとして働くならば、臨床心理士の資格を取得するのが良いでしょう。

 

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