《1》 同調行動とは?
同調行動とは、他の人と同じことをしなくてはならないという心理によって行われる行動のことです。例えば、ファッションの流行なども同調行動が強く出ているひとつの例になります。
この例で見ると、
- 『みんながやっているから自分もやらなくてはならない』
- 『遅れたら恥ずかしい』
という気持ちになって、自分自身の気持ちとは関係なく、あくまで周りに合わせることを前提にして行動をとる様になります。これが同調行動の特徴です。
このような流行の作り方はパターン化されていますので、その法則に当てはめれば自然と作り上げられるようになっていきます。
この心理学的な効果をうまく応用し、対人関係に結びつけることでができるようになります。
《2》 同調行動のやり方と心理学的効果
同調行動のやり方は皆さんが思っていいるほど難しいものではありません。簡単に言えば、『人に行動を合わせる』 これだけで十分な効果を得ることができます。
例えば、同じタイミングでお茶を飲んだり、腕や足を組んだり、体をかくというように、さりげなく同じ行為をしていくだけで十分な効果が期待されるのですね。
人と同じというのは、それだけで安心させ、同じ仲間がいることに関して感謝するようになります。逆に1人でいたい人、ビジネスで1人勝ちを狙っている人は人と同じであることを嫌がります。心理的な距離を近づけたい、関係を深めたいという時には、その人のやっている事と同じことをやろうとするだけで十分です。
2-1. 【応用編】同調は行動だけでなく、同じ物でも心理効果が狙える
人と同じことをするというのは行為・行動だけに限りません。
その人の趣味や好きなものでも応用することができます。例えば、赤色が好きという人がいれば、自分も赤色が好きであることをアピールするため、さりげなく赤色でコーディネートするなどのことをすれば、相手は共感し、仲間であると認識してくれます。
相手があなたを仲間と認識してくれれば、そこからは早く、心理的な距離はどんどん縮まっていきます。例えば、嫌いなものが一致した(共感できた)場合はもっと強固になり、仲間意識が芽生えます。
仲間意識が芽生えると、対象となる人物への印象が格段に上がり、その人の周囲(友人・職場仲間・家族など)にあなたに対してとても好印象であることを広めてくれます。それを聞いた人に対して、あなたは同じように同調行動を取ってあげると、『確かにあの話は本当だった!』 とばかりにその人も取り込むことができてしまうのです。
中には、
- 『その人の言うことなら間違いない』
- 『その人は正しい』
などと、すべてを肯定し始める人もおり、同調行動をうまく利用することで苦労せず仲間を増やすことができるようになります。
このようにしてあなたの味方を作り、人間関係の幅を広めることができるようになります。顔が広い人の特徴として、多趣味というものがあります。その結果、別々の趣味同士の人が仲良くなり、その人を介さずに付き合いを持つということが見られます。
《3》 同調行動の具体的な例
3-1. 学校で見られる同調行動の例
こうした心理学的な効果を最も見ることのできる場所が学校です。全員が見知らぬ人の場合、最初のうちは会話もなく、大人しくしていることがほとんどです。
そんな中、1人が話しかけ、同調するような言葉を投げかけると、渡りに船とばかりに会話をしようとします。
その人が色んな人に話しかけるうちにその輪はどんどん広がり、1人を多くの人が囲む状態となります。当然、その1人が独占するには限界があるため、段々と細分化されていく流れになります。
こうしたことが学校では至る所で起きており、こうして友達が作られていきます。
これは既に関係が構築されている状態では難しく、同調しないと大変なことになると思っている人が多ければ多いほど、成立しやすくなります。実は、そうした心理を狙うことも大事なポイントなんですね。(悪用は厳禁です・・・)
3-2. 【事例】悪徳商法でも同調行動は使われている!
こうした心理的効果を狙った同調行動は悪徳商法などでも見ることができます。
詐欺を行う時に、騙したい相手に対して善人のフリをして近づき、『あなたのことは何でも肯定します』 というようなスタンスで会話を仕掛けてきます。
次第に相手は 『この人はとてもいい人だ』 と感じるようになり、その後、意気投合のフリを装えば自然と信用してくれるようになってしまうのです。
よく詐欺に巻き込まれた人が、『まさかあの人が詐欺をするとは思わなかった・・・』 と相手の非を認めようとしないことがありますが、これは仲間意識が芽生え、心から信用している証拠でもあります。
- その人と同じことをする
- 趣味嗜好を合わせる
- 考え方に賛同する
これらのことをしておくだけで、人の心をコントロールすることができます。
3-3. 【事例】仕事(ビジネス)での同調行動の活用方法
実際に、すべてを人に合わせるのは難しく、同じ空間で別々の人にこうしたことをしようとするとすぐに破綻します。そのため、1人を狙うか、別々の場所で行うか、その方針を決めなければなりません。
仕事(ビジネス)での営業・宣伝活動であれば、同調行動を複数人で行うことにより、お客様から『この商品は本当に人気なのかもしれない』という気持ちにさせることができます。
それを知らない人がこの現象を見ると、
- これは今後人気になる!
- 流行るから乗り遅れたらいけない!
という気持ちになり、それを広め、結果として流行になります。
《4》 同調行動のまとめ
同調行動は、単に同じであることを強調するだけで、共感を得て、仲間意識を芽生えさせ、いざという時に利用することができる様になります。これらのことは今からでもすることができ、その方法も人に合わせるだけという簡単なものです。
合わせるのは大変だという人も、聞き役に徹するだけでも効果があり、仲間であると思わせることができます。恋愛でも仕事でも、心理的な距離を縮めたいという人がいる場合には、同調行動をうまく活用して、有利に進められる様チャレンジしてみてくださいね。
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