“自信”に関する自己啓発本やブログは腐るほどあります。でも、「自信が全て!」とするものがある一方、「自信がなくても大丈夫」とか、意見は様々です。
- どんな努力をしても自信が持てない
- 根拠なく「自信を持て」と言われても無理だ!
- 「自信」が大事なのかどうかさえわからなくなってきた・・・
そんな人たちに、提案します。
みなさんは「セルフエスティーム」という言葉を聞いたことがありますか?自己肯定感を高めて豊かな人生を送れる様に努力してみましょう!
【1】
セルフエスティームとは自己肯定感
『セルフエスティーム(self esteem)』とは、自己肯定感を指します。すなわち、自分の可能性や価値に対する主観的な自己評価のことです。
- 『セルフエスティームがある』
- 『セルフエスティームが高い』
とは、自分の長所・短所を含む、全てを受け入れた上で自分に価値を見出せることを言います。
ポイントは自分のダメなところを否定しないというところにあります。
セルフエスティームが “自信” と違う点は、”自信”は他人からの評価や成功体験によって形成されやすい一方、セルフエスティームがあることによって形成された価値観は、内面、いわば自己の評価なので、外部からの評価に左右されません。
また、「うぬぼれ」や「プライドが高い」とも全く異なります。「うぬぼれ」は自分の長所しか享受せずそれを過大評価してしまうことで、「プライドが高い」は自分の長所だけを他人と比べ、さらにそれを誇示することだからです。
例えば、AさんとBさんとCさんで一緒に映画を観にいったとします。映画の後の感想を言い合っていると、Cさんは「本当に面白かったね!!」と、かなり楽しめたようですが、Aさんは「(あまり面白くなかったけど)面白かったねー。」と話を合わせ、一方Bさんは「正直、微妙だったわ。」と言いました。
Aさんはあまり面白くなかったにもかかわらず、周囲の意見に合わせました。この場合、Aさんは無意識で「自分の感想は周りの意見とは違うので、他の人に言うほどの価値はない」と判断してしまっているのです。一方Bさんは、「自分の意見は周りとは正反対だけれども、別に発言に対する問題はない」と考え、実際に自分の意見を言います。
この例を、セルフエスティームで考えてみると、Aさんはセルフエスティームが低く、Bさんはセルフエスティームが高い人といいます。言い換えると、Aさんは自己評価が低いので、自分の意見を言う価値を見出すことができず周りに合わせてしまいます。逆にBさんは、自分の意見に価値があると信じているので実際に発言した、という風に見ることができるのです。
【2】
なぜセルフエスティームが大切なのでしょうか?
「自信」って何か新しいことを初めて行動に移す時に最も必要ですよね。
でも考えてみてください。その「自信」とは成功体験、他人からの評価や他人との比較することによって形成されます。
では実際に、新しいことを始めてから「自信」を持つまでにどれくらい時間が必要になるでしょうか?もう気が遠くなるほどかかるでしょう。
行動に必要な「自信」を補ってくれるのが「勇気」です。しかしこの「勇気」を持つのもなかなか簡単ではありません。「自信」と「勇気」が出るまで待っていては人生におけるチャンスを逃すだけなのです。
『自分には新しいことに挑戦する価値があるからやるべきだ。自分の短所と同じように、失敗も否定しなくてもいいんだ。』
と思ってみると、無理に「自信」や「勇気」を待つ必要がないと思いませんか。実はこの考え方がセルフエスティームであり、ここでは新しいことに挑戦する際の「土台」の役割を果たしています。
これがうまくいけば、人は成功体験を得ることになるので「自信」も付きます。でもその前に一番必要なのは、「自信」がない状態で自分を支えてくれるセルフエスティームを持つことなのです。
【3】
セルフエスティームはキャリア形成や恋愛にも影響している
これまでご紹介した事例から見る通り、セルフエスティームは私たちの日々の行動や決断に大きく影響します。
日本ではほとんど紹介されていないですが、海外では様々なセルフエスティームについての研究が進んでおり、たくさんの人がその重要性を認識しています。
3-1. 仕事におけるセルフエスティームの影響
例えば、仕事に関してセルフエスティームが高い人は、自分がどのくらいの時間でどれほどの課題を終わらせることができるかを把握しているので、自分ができなくて自己嫌悪に陥ることもないですし、できないことははっきりできないと断ることができます。
生産性を邪魔するネガティブ思考が少ないことで高いプロダクティビティを保つことができます。何か問題が起きても、解決するために自分にできることをまず論理的に分析できるので、手が出なくて一人で抱え込んでしまうことも少ないです。結果として、仕事によって過度のストレスが溜まることはあまりありません。
また、自分の意見を提示することは価値があることだという意識が、積極的にアイディアを出すこと につながり、新しいビジネスチャンスやプロジェクトを獲得する可能性が高まります。
これが、セルフエスティームが低い人は「自分の能力は低く周囲の人よりも価値のないものだ。」と思っているので、このようなチャンスを逃す傾向にあります。また、残業を頼まれると「自分は残業を断るほど能力的に優れていないから。」と無理に仕事を請け負ってしまいます。実際に自分の能力より何倍もの仕事を課せられているので、うまくいくはずもなく、またさらに「自分はできない人間だ」という自己嫌悪の連鎖にはまってしまうのです。
3-2. 恋愛におけるセルフエスティームの影響
セルフエスティームが低い人は「自分は愛されるほどの人間ではない」と無意識に思っているので、気になる人ができたとしても話しかけることがなかなかできません。
その中でも、自分の短所を認識しきれていないタイプの人は、パートナーとなる人に完璧な彼氏/彼女像を求めてしまいがちです。もちろん、完璧な人間など存在しないので、パートナーのちょっとした欠点でも許してあげられず喧嘩になってしまいます。
また、こういったことから生じるストレスも「自分が悪いから」と一方的に自分を責めてしまうし、はっきりした意思表示をすることができないので、性格的に合わない人と付き合っている可能性があってもなかなか別れられません。
一方、セルフエスティームが高い人にはこういった障害が少ないため、恋愛に対する満足度も高く、結果として「うまくいっている」と自覚しやすいです。
セルフエスティームが高い方が仕事や恋愛においてもストレスが溜まりにくく、全体的にうまくいく可能性が高いと言えます。
【4】
日本人はもっとセルフエスティームを持つべき
もちろんセルフエスティームは高ければ高いほどいいと言うわけではありません。「自分のありのまま」で満足しすぎると、そこから成長しなくなるからです。また、「顕著」であることが最大の美徳なのも相待って、「自信」がありすぎることはよくないとされる傾向にあります。
ですが、研究によって日本人は他民族と比べてもセルフエスティーム(自己肯定感)があまりにも低いことがわかっています。
4-1. セルフエスティームに関する意識調査の結果
例えば、ダヴが行った女性の自分の体型に対するセルフエスティームの結果、「自分の体型が好きだ」と答えた女性は割合が、
1位 南アフリカ 64% 2位 ロシア 45%と比べ、日本は8%とダントツに最下位(13位)という調査も出ています。
参考サイト Dove women’s body image study 2016: The saddest statistic you’ll read today※英語のサイトです
これだけでは、
- 常に自分の体型を気にすることは女性としてはいいことだ
- 今の体型に満足してしまうとそれ以上可愛くなれない
と思う方もいるかと思います。
ですが、考えてみてください。彼女らが比べている対象はメディアによって作られた存在し得ない平均なのです。モデルの顔と体型が目指すべき対象と刷り込まれて、自分たちもこうでなければいけないと思ってしまっています。
この場合、無理して自分とかけ離れている偶像になろうとするために費やす労力は半端ではないので、心身ともに疲労しきってしまいます。
彼女たちは常に体型を気にしなくてはならず、食事も心から楽しめません。過食症や拒食症といった身体の健康を犯すケースもあります。
他人からの評価=自分の価値と考えているので、他人から褒められないと・・・
- 自分はダメだ!
- なんでこんなに頑張っているのに可愛くなれないんだろう?
などとストレスは溜まる一方です。
外見以外の他のスキルや能力向上に使える時間や体力も削ってしまうので、数年後に「自分には何もないじゃないか」とふと気づき、さらにセルフエスティームを下げることに繋がってしまいます。
4-2. 日本人がセルフエスティームを高く持つために
一方、セルフエスティームが高い人は自分にかけ離れた偶像を追うのではなく、自分の魅力を活かす努力をします。わざわざ巨乳になろうとするのではなく、貧乳であるイメージを活かしたドレスに挑戦してみたりするわけです。自分の長所を伸ばしているので結果も出やすく、確実な自信を得ることができます。
このように、日本人は文化的な特徴からセルフエスティームを低くもつ傾向にあるので、セルフエスティームを持ちすぎるくらいがちょうどいいのです。
もしセルフエスティーム(自己肯定感)を高める事に興味があれば、『自己肯定感(セルフエスティーム)を高めるためにすべき11の習慣』の記事を合わせて読まれる事をおすすめします。
【5】
セルフエスティームに関するまとめ
- セルフエスティームとは自信とは異なる主観的な自己肯定。長所、短所を含めた自分を否定しないことが重要。
- セルフエスティームは日々の生活に大きく影響しており、高いセルフエスティームを保つことで日々の生活をより良いものにすることができる。
- 文化的な背景を踏まえると、我々日本人には多少セルフエスティームを高めに持つことが必要である。
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