【心理学】 “自己開示”して信頼関係を築く方法

職場・家庭・学校など、生きていく上で人との関わりは避けられません。

こんな世の中で、あなたはあなた自身のことを包み隠さず話すことができていますでしょうか?ひょっとすると、あなたは信頼できる人が周りにいないことを悩んでいませんか?

『信頼できる様なよい人に巡り会えていないからしょうがない・・・』と思ってしまいがちですが、実は、信頼できる人がいないのは、あなたが自己開示をしていないことが原因である可能性があります。

今回は、人と信頼できる関係を作るために、自己開示をすることを中心に、なぜ自己開示が必要になってくるのかも含めてお伝えしようと思います。

【1】
自己開示とは?

自己開示とは、『自分自身しか知りえないプライベートな情報を相手に包み隠さず伝えることを指します。

そもそも自己開示という言葉は、カナダの心理学者 『シドニー・ジュラード Sidney M. Jourard  (-1974)』が心理学用語として用いたのが初めとされており、

「自分自身をあらわにする行為であり,他者が知覚しうるように自身を示す行為」

と定義しています。

自己開示の難しいところは『ありのままに事実を伝えられるか?』というところにあります。自分自身のことを正確に理解し、嘘偽りなく相手に伝える事ができなければ、相手も間違った認識をしてしまいます。

また、『ありのまま伝えること』 もポイントのひとつであり、いわゆる『話を盛る』ですとか、『過去の栄光』を過度に伝えたりということは自己顕示(じこけんじ)となり、相手から嫌われる原因ともなります。

自己開示すると相手も自己開示してくれる

自己開示を積極的にするメリットは、結果的に相手からも自己開示してもらえる可能性が高いという所にあります。これは、心理学上、『自己開示の返報性』 と言われており、簡単に言うと、『自分から自己開示を行うと、相手はそれと同等の自己開示を行う』という研究結果が出ています。

自己開示は仕事や恋愛でも活用されています

こういった自己開示の返報性を利用することで、例えば、自分がよりプライベートな話をすることで相手もプライベートな事を話してくれる可能性が非常に高くなります。また、より一歩踏み込んだ話をすると、普通では聞き出せない様な事を話してもらえるなんて事もあるのですね。

つまり、『そこまでの情報をもらえるのであれば、私も同等レベルの情報を出さなくては』という気持ちにさせてしまうのです。

この様に、自己開示の返報性によって、相手との距離を縮めたり、核心にせまった情報を聞き出すことができるため、営業などのビジネスシーンや恋愛シーンでのテクニックとして活用されています。

【2】
信頼出来る人がいない… それは自己開示が上手くできていないのかも?

誰かを信頼し、誰かに信頼されて、素晴らしい人間関係を作っていくことは誰もが望んでいることです。

でも、こういった理想を強く思えば思うほど良好な人間関係が作れなくて悩んでしまうものです。その心の奥深くに潜むのは、『うまく自己開示出来ないという心』でもあります。

自己開示という観点では、『自分をさらけ出す方法』という題目で、書籍等でも多く取り上げられてきていますが、実際に行動するとなると、とても難しいものです。

そもそも

  • 「自分をさらけ出す」
  • 「自分を開示する」

というのは、どのようなものなのか分かりにくいですよね。

そもそも本人が『自分自身』をよく分かっていないことも沢山あるのに、「自分をさらけ出すっていったい何だろう?」と思う人も多いのではないでしょうか?

2-1. 自己開示で必要なのは『自分を知り他人との共通点を見出していく』こと

自己開示をするにあたって、『いったい自分はどの様な人間なのか?』を書き出してみると少しずつ理解が深まります。

もう少し具体的に言うならば、

  • 自分の好きなこと
  • 夢中になれること
  • 普段行くところ
  • 日常的にしていること

などを書き出してみることです。

それと同時に、

  • 嫌いなこと
  • 苦手なこと

なども書き出してみると良いでしょう。

自己開示にあたり、相手に対して具体的に伝えていく内容として、

  • 自分の好きなもの
  • 興味のあること

などを思い浮かべることが多いと思いますが、実は、

  • 嫌いなもの
  • 苦手なこと

なども自己開示には必要です。

こうして自己開示をする為の自分に関する情報集めを行い、いざ人とコミュニケーションを取っていく時に、これらで考えた要素と、相手の持つ要素で 『共通点』 を見出すことが出来ます。この共通点がお互いの仲を深め、信頼関係に繋がっていくのです。

また、自分の好きなものや得意分野などから 『自分自身』 を見つめると共に、自分の 『心』 についても考えていくことが大切です。

誰かとの信頼関係は、『好きなもの・嫌いなもの』 だけではなく、性格・過去・内面の奥深くにも関わってきます。

出会って間もない相手や、関係が浅い人には趣味程度の自己開示でも構いませんが、信頼関係はお互いの内面や心に関することも言葉によって伝えていくことになる場合が多いです。つまり、自分自身しか知りえない事も相手に開示していく必要性があるということですね。これが信頼関係が構築された事の証とも言えます。

その時のことも踏まえて、自分が苦しくならない程度に、自己理解を深めておくことも、自己開示からの信頼関係構築には必要不可欠なのです。

2-2. 信頼関係を欲する人ほど、相手の気持ちを考えすぎて自己開示が出来ない

人との信頼関係を望む方は、その時々に出会う人に対して過度の期待をしてしまう傾向があります。

  • 「この人となら仲良くなれるかもしれない」
  • 「ここで親友が作れるかもしれない」

そして、自分を追い詰めてしまうというケースも多々あります。

  • 「自分を出していかないと。そうしないと仲良くなれない。」

このような考え方ですね。

あまりにも意識してしまうと、知らず知らずのうちに自分へのプレッシャーになり、相手とうまく話すことすらできず、結局あまり仲を深められないという結果になってしまいます。さらには、このような結果になってしまった自分を責めてしまう・・・。

責めている自分・自信のない自分を開示したいと思う人はいないでしょう。

何が言いたいのかというと、 自己開示はリラックスして行うものということです。自己開示の際、例えば好きな物の話をした時に、ガチガチに緊張して話せば、『本当の自分』というものは相手にうまく伝わっていきません。

「この人は、こういうものが好きなのだな…」

こういう感覚は、言葉からも表情などの雰囲気からも伝わるものです。

  • 自分を出すこと
  • 自分自身の話をすること

これで相手は話を聞いてくれます。

そこから 「自分にこんなに話をしてくれるということは、相手は自分に対して心を開いてくれている」 と感じるようになるのです。

自分の話の中に相手が共通点を見つけて、そこから話が盛り上がっていくかもしれませんし、自分の話から相手へ質問を投げかけることで、「実は私も…」と話しが広がる可能性もあります。

2-3. 期待ではなく、純粋に”信じる気持ち”を相手に捧げる

「この人こそは、信頼関係を築ける!」これは期待になってしまいますが、「相手を信じよう」になると、自分にも相手にも過度な想いを向けずにストレスフリーに接することが出来ます。

自分が相手に話せる範囲内のことから会話を始めることによって、今目の前にいる相手との信頼関係はスタートします。そのスタートと同時に、目の前の相手に対して「信じて話す」ことが大切です。

なぜなら、自己開示をしていく上で、得たいものはその人との信頼関係だからです。

  • 「自分はこんな人です。」
  • 「あなたを信じているから、こんな風に自分の事を話しています。」
  • 「あなたはどんな人ですか?私は、こんな風に質問することによって、あなたと豊かな関係を築いていきたい。」

ストレートに言葉にすると違和感を覚えるかもしれませんが、このような信じる気持ちが相手に徐々に伝わることにより、信頼関係は築かれていきます

 

【3】
自己開示のまとめ

自己開示をしていく中で、『自分をさらけ出す』ということは慣れないうちは本当に怖いものです。過去に

  • 人に否定された
  • 馬鹿にされた

こんな経験などあれば尚更のことです。

でも、本来人は優しいものなのです。

イジメの経験や親との関わりの中で、どんどん恐い人や嫌いな人が増えていくことを感じてしまう・・・。確かに、学校でも社会に出ても、嫌いな人が同じコミュニティにいて耐えようと頑張ったり、我慢を強いられるたりする経験は誰しもが経験することでしょう。

しかし、「人は優しい」と思い、「人を信じる」ところから信頼関係は生まれてきます。

人が嫌いで信じられないままで、自己開示は出来ません。

まずは自分が信頼関係を築きたいと思っている人には、「好き」とか「信じる」気持ちを持って接する事を努力してみてください。こういう思いが、『この人に自分のことを知ってもらいたい』 という欲求に繋がり、やがて信じて合えて、頼り頼られる信頼関係になっていくのです。

自分を知り、時間がかかっても良いから、自分のことを無理なく相手に伝えていくこと。そうしていくことで、あなたの人間関係が今よりももっと豊かになっていくことでしょう。

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