精神保健福祉士になるには?資格取得方法・就職先・収入など





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精神保健福祉士とは?

精神保健福祉士は精神保健福祉法に基づく国家資格となります。精神保健の向上および精神障害者の福祉の増進に寄与することを目的としています。

医療機関や福祉機関で精神障害者の治療の援助や訓練指導、社会復帰に関る相談に乗ります。つまり精神障害者が社会に適応自立するのに必要なトレーニングや作業指導、カウンセリング、また家族との相談などに当たります。地域に定着して生活できるように、公的制度を紹介したり他の機関との連携を図ります。精神障害者と地域社会との橋渡しをするソーシャルワーカーです。

1-1. 精神保健福祉士と臨床心理士の違い

臨床心理士は民間資格で文部省が主管省庁なのに対し、精神保健福祉士は国家資格で厚生労働省が主管省庁です。

相談業務や援助という点では心理カウンセラーと共通する部分はありますが、精神保健福祉士は精神障害を持つ人の福祉増進やサポートが主目的という点が臨床心理士との違いになります。

臨床心理士などが行うカウンセリングでは、精神障害などがある場合は医療機関などの適切な機関を紹介することになっています。精神保健福祉士は主に精神科医の指示のもとに必要な訓練や作業を行います

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精神保健福祉士の資格を取得するには

精神保健福祉士の資格は、厚生労働大臣の指定を受けた試験・指定登録機関公益財団法人である【社会福祉振興・試験センター】が試験・登録事務を行っています。精神保健福祉士国家試験の合格率は約60%程度となっており、毎年の合格者は4,000~5,000人程度です。

2-2. 精神保健福祉士の資格を取得する方法

国家試験を受験するためには受験資格が必要です。受験資格取得には11のルートがあります。

大きく分けると ――

  • 福祉系4年制大学卒業
  • 福祉系短大卒業
  • 一般大学卒業
  • 一般短大卒業

のルートがあります。

大学によっては通信課程もあり、仕事や家庭を持っていても資格に挑戦することは可能です。ただ勉強の範囲は広く、精神障害や精神保健に関する知識から、福祉や法的制度など多岐に渡ります。通学でも通信でも自分でかなり勉強する必要があるでしょう。

短大や一般大学卒業の場合は、相談援助実務が必要でさらに養成施設などの条件があります。養成施設では実習などを重点的に学びます。履修科目などによっても条件が違いますので、詳しくは精神保健福祉士国家試験公式HPよりご確認ください。

 

3. 精神保健福祉士の仕事内容と就職先

精神保健福祉士の仕事先は様々です。精神障害者やその家族への援助などが主な仕事内容となりますので、大きく分けると、

  • 医療系
  • 福祉系
  • 行政機関

に分けらます。精神障害者の福祉施設はもともと数が多くないため、以前は求人が少なかったようですが、最近は精神保健福祉士が担う業務について保険による診療報酬が得られるようになったので、病院関係の求人は増えているようです。

① 精神保健福祉士の仕事内容

具体的な仕事内容としては、以下のようなことが挙げられます。精神保健福祉士は精神に不調や障害を抱えている人への援助なので、意思疎通がすんなり出来なくても、思いやりを持って忍耐強い対応が必要とされます。

主な仕事内容は以下の通りです。

  • 入院やそれに関わるサポート
    精神に障害を持っている人は、まず医療機関で治療を受けることになるでしょう。場合によっては強制入院が必要なこともあり、入院のサポートや手続きが必要です。
  • 日常生活の訓練や指導
    施設や病院のデイケアなどで、日常の生活や作業ができるように訓練や指導、サポートをします。児童から高齢者まで年齢や症状によって訓練の内容は実に様々です。最近では高齢者施設での認知症の方への訓練やサポートの仕事もあるようです。
  • 精神障害者や家族へのサポート
    本人や、家族の相談業務やサポートをします。
  • 公的援助精度の利用に関するサポート
    公的手続きや制度の利用や申請について助言したり援助します。医療費や障害者手帳など、公的な援助など経済的なことも当然含まれます。
  • 社会復帰への支援
    社会復帰のプランを立てたり、各種機関との連絡調整などします。病気自体が治ることと社会復帰の間にはかなり溝があります。その溝を埋めるためには様々な団体や機関の協力が必要です。公的機関の他に、NPO法人やボランティア団体や家族会などの団体などと連携したりすることも多いようです。
  • 就職への支援
    就業支援などでは、企業訪問や受け入れ企業への説明などやることもあります。

②精神保健福祉士の就職先

医療系の就職先

精神病院や、医療機関の精神科、および附属のデイケアセンターなど。精神科医の指示によって訓練や指導を行います。病院であれば精神障害の方の入院手続きや入院中のケアやトレーニング、退院後の相談まで関ることが多くなっています。

福祉系の就職先

障害者のグループホーム、作業所、児童発達センター、自立支援センター、介護施設、その他の社会復帰施設など。福祉施設などでは相談業務や援助、作業訓練などが主な業務となるでしょう。援助と言っても非常に幅広いので、仕事先の要求する内容を確認することが大切です。職場見学などできれば、させてもらったほうが良いでしょう。

行政機関

保健センター、市町村の障害者向け相談窓口、地域活動センター、公共療育施設など。

その他の企業

最近はメンタルヘルスへの関心が高まっているので、精神障害に限らず広く精神保健という面からの業務に関る仕事もあります。

 

4. 精神保健福祉士の収入や待遇など

精神保健福祉士の収入は特別に高いわけではありません。医療機関や公共療育施設などで働く場合は一般企業の給料や福利厚生と変わりないのが実態です。求人している所は結構ありますが、1ヶ所での求人数は少ないので待遇の良い所は希望者も多くなっています。

社会復帰施設など福祉関係は様々で小規模の所も多いので、福利厚生などの待遇は仕事先によって差があるようですが、仕事の大変さの割には収入が少ないという意見もあります。

正社員の収入(常勤)

正職員や社員の常勤の場合、月給で18万円~25万円程度、年収にすると300万円~400万円程度が多くなっています。常勤の求人も多いですが、常勤の場合は事務作業や他の作業も含むことも多いので、管理系ワークのスキルが伴っていると就職に有利となるかもしれません。

パート・アルバイト・契約社員の収入(非常勤)

非常勤の求人も多く、時給では900円~2000円程度と幅があります。経験や仕事内容により実にいろいろです。

5. 精神保健福祉士のまとめ

精神保健福祉士の仕事は、大変だけどやりがいのある仕事といえます。精神に障害を持つ人や家族にとっては必要なソーシャルワーカーです。精神保健福祉士を目指す場合は、資格取得後の仕事の内容などをしっかりと理解することが大切でしょう。

 

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