心理カウンセラーの資格を取るメリットとデメリット

心理カウンセラーの資格は沢山の種類があり、資格を取るには時間もエネルギーもお金もかかります。資格を取っても、活用できなければ宝の持ち腐れですので、自分が納得できる資格を取りたいものです。

ここでは、心理カウンセラーの資格を取るメリットとデメリットを紹介します。

1. 資格と仕事は直結するものではない

心理カウンセラーの資格に限らず、どんな分野でも資格と仕事は直結するものではありません。需要と供給のバランスです。例えば今、保育士は人手不足なので、資格がなくてもOKとか資格取得費用出しますなどの求人が増えています。

逆に需要に比べて人手が余っていると、当然、実務経験者や要求されるハードルが上がります。需要と供給の関係から見ると、心理カウンセラーの需要はまだまだ多くはありません。常勤で安定した生活をしたいから資格を取るという目的ならば、心理カウンセラーの資格はあまり適切ではないでしょう。

 

2. 心理カウンセラー資格の種類は様々

心理カウンセラー関係の資格は沢山ありますが、一部の例を挙げてみますと、

などですが他にも色々あります。

(詳しくは、➡心理カウンセラーの資格の種類を参照してください)

これらの心理カウンセラー資格(心理職資格)について、取得するメリットとデメリットをご紹介していきます。因みに、スクールカウンセラーは資格名ではなく、文部科学省の資格要件に準拠した職業名です。

2-1. 臨床心理士資格を取得するメリット・デメリット

公益財団法人「日本臨床心理士資格認定協会」が認定する資格です。文部科学省が認定する「心理専門職」であることを証明する資格ですから、心理関係の資格では最も信頼度の高い資格です。

受験資格もハードルが高く、心理学系の大学・大学院を修了した後、1~2年の臨床経験が必要です。(資格の取り方の詳細は省きます)5年毎の更新が必要です。

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メリット

行政機関の公務員としての心理職はじめ、ほとんどの心理専門職に通用する資格です。常勤で心理職に就くためには、必須の資格と言えるでしょう。

デメリット

受験資格を得るだけで、多大なお金と時間が掛かります。その割に、心理職として安定した就職先が少ないのがデメリットでしょう(参考 心理カウンセラーの就職先と働く場所)。

公務員などの常勤の心理職は非常に倍率が高く、就職するのは狭き門です。心理カウンセラーとして現実的に仕事をしていくには、非常勤のような形で、幾つかの仕事を掛け持ちする方が多いようです。

2-2. 産業カウンセラー資格を取得するメリット・デメリット

一般社団法人「日本産業カウンセラー協会」が認定する資格です。以前は、初級・中級・上級と分かれていましたが、今は、産業カウンセラーとシニア産業カウンセラーという分類に変っています。

産業カウンセラーからキャリアコンサルタントにステップアップを目指す人もいます。

受験資格は数通りあり、

  1. 大学の心理学関連の単位を10科目(20単位)以上取得していること(指定科目があります)
  2. または、日本産業カウンセラー協会が行う養成講座を修了していること

などです。

養成講座は通学制と通信制がありますが、通信制でも面談実習があります。資格試験は、学科試験とカウンセリング実技試験があります。

人事・労務部や営業部などに既に所属している方が、資格を取るケースが多いようです。5年毎の更新が必要です。

メリット

産業カウンセラーの資格は、心理学系の大学を卒業していなくても、産業カウンセラー養成講座を修了すると資格が取れます。養成講座は、実技実習時間が多いのもメリットでしょう。

従業員支援プロジェクト(EAP)業務を行っている企業に採用されると、企業でのメンタルヘルスケアなどカウンセリング業務に当れます(必ずしも常勤としての募集があるわけではありません)。

可能性としては、労働安全衛生法に基くストレスチェック制度が始まったので、EAP企業などの採用が増えることは考えられます。企業の人事・労務部などの常勤の募集もありますが、シニア産業カウンセラーが条件であったり、実務経験が必要な場合が多いようです。

デメリット

資格を取ったからと言って、すぐに産業カウンセラーとして活動できるわけではありません。産業カウンセラーとしてそれなりに仕事をしていくには、実務経験が必要です。非常勤などで実務経験を積む人が多いです。

 

2-3. 精神保健福祉士資格を取得するメリット・デメリット

精神保健福祉士は心理カウンセラーとは少し違い、福祉関係の資格ですが、相談業務ということでは近い位置付けにあります。精神保健福祉法で位置づけられている国家資格です。

精神障害者や発達障害者の生活支援や社会復帰などの相談業務にあたるソーシャルワーカーです。主に、精神病院や保健所、地域包括支援センター、福祉施設などで相談にあたります。

受験資格は、11通りもありますので、詳細はここでは省きます。福祉系の4年生大学を修了/福祉系以外の大学なら、精神保健福祉士の養成所(1年)修了/などです。

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メリット

国家資格なので信頼性が高く、他の心理関係の資格に比べると、働ける場は多くなっています。

精神保健福祉士は、施設における必置資格に準ずる配置資格です(置くことができるという資格)。精神科やクリニックでは、診療報酬業務があるので配置が進んでいます。障害者施設や保健センターなど、精神保健福祉士を配置するところは多いようです。

デメリット

仕事の大変さの割には、報酬が伴わないという声が多いようです。精神障害や認知機能に問題のある方は一人一人の状態が全く違いますし、それを支援する業務ですから、大変さは想像に難くないですね。

家族や関係機関・地域との橋渡しをするソーシャルワーカーなので、気苦労も多いようです。勤務場所によっては、時間外に対応せざるを得ないこともあるようです。

 

2-4. 通信教育関係や受験資格を問わない資格を取得するメリット・デメリット

上記のような特定の学校卒業や実務経験などの受験資格がなく、誰でも取れるのが、民間団体や協会・学会が認定する通信教育などによる心理カウンセラー資格です。

沢山の種類・名称の資格があります。これらの資格は、認定する団体だけに通用する資格ですので、一般社会では資格として認めてもらえないものが多いと思ってください。

ですから、これらの資格だけを取って仕事をするのは非常に難しいでしょう。ただ、心理カウンセリングラーとはどういうものか?心理療法がどういうものか?という知識を得るには、手頃な入門方法と言えます。

メリット

受験資格はなく、誰でも取得する事が出来ます。通学制もありますが、通信制は、自宅で自分のペースで勉強できますので、時間の無い社会人の方には嬉しいかと思います。

受講期間はそれぞれの資格によって異なりますが、数ヶ月程度の短期間で取得できるものが多くなっています。

通信制だけのものと実習がセットになったものがあり、それぞれ費用や期間が違います。大きな協会では、定期的に研修会を行ったり、インストラクターとしてステップアップできる所もあります。

デメリット

一般に通用する資格ではないですから、仕事や収入には直接結びつきません。ただ、仕事や収入だけが目的の方だけではないと思いますので、『何のために資格を取るのか?』を考えて、自分に合ったものを探しましょう。

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3. まとめ

現代はストレス社会と言われ、心の問題に関心が高まっています。

そういった背景から、カウンセラーが必要とされる場面が増えているのは事実です。しかし、一般への理解はそれほど進んでいるとは言えず、まだ特別の人のためのものという認識が多いのが現実でしょう。

また、心理カウンセラーの資格認定や養成の仕方も様々です。心に関る問題は個々に違い複雑なので、一般論としてマニュアル化できず対応するカウンセラーの力量が問われます。

勉強し続けることが大切ですね。