心理カウンセラーの資格を取得したとしても、『収入や給料はどれぐらいなのか?』といった金銭面は気になるのではないでしょうか?
実は、”カウンセラーの収入は需要と供給のバランスで決まる“と言っても過言ではありません。現在、カウンセリングの需要は高まっているとは言っても、やはり信用が無ければ仕事もはいってきません。つまり、収入につながるのは社会的に通用する心理カウンセラーの資格ですので、闇雲に資格を取っても費用も労力も無駄になってしまいます。
ここでは、心理カウンセラーの代表的な資格である『臨床心理士』と『産業カウンセラー』の収入について解説していきます。
【1】
収入につながる心理カウンセラーの資格は?
『悩んでいる人の力になりたいから “心理カウンセラー” として働きたい!』 という方はきっと多いと思います。でも、せっかく心理カウンセラーの資格を取るのなら、少しでも収入につなげたいというのは当然の考えです。自分自身の生活もありますし、事業の拡大だって考えなくてはなりませんからね。
心理カウンセラーの活動の場としては、ボランティア活動から、常勤・非常勤まで色々あります。またカウンセラー自体の資格の種類も沢山あり、仕事や収入につながる資格とそうでない資格があります。
ここでは比較的収入につながりやすい資格として、
の収入や給料について紹介します。
① 臨床心理士の収入(給与・年収)
臨床心理士は、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定する資格です。
文部科学省が認定する「心理専門職」であることを証明する資格ですから、心理カウンセラーの資格では、公認心理師に次いでダントツに信頼度の高い資格になります。心理学系の大学・大学院を修了した後、1~2年の臨床経験が必要です。
臨床心理士はどのような場所で働けるの?
臨床心理士の資格を取ると、下記の様な機関に就職することが可能です。
- 児童相談所・家庭裁判所・保健所・鑑別所などの行政機関
- 病院・心療内科などの医療機関
- スクールカウンセラー・教育委員会などの教育機関
- 大学の研究室などの研究機関
- 障害者施設・介護・児童自立支援施設などの福祉施設
- 産業カウンセラーなど、企業でのカウンセリングやメンタルヘルス対策を担当する場
もちろん、独立開業してカウンセリングルームを開設されている方もいます。しかし、資格をとっていきなり心理カウンセラーとして開業するのは難しく、最初はどこかの機関で仕事をして実績を作ってから開業することになるでしょう。
臨床心理士が行政機関へ就職した場合の収入(給与・年収)
行政機関の常勤となるためには、別途公務員試験合格が必要です。(職種によって国家公務員と地方公務員があります)
公務員として採用された場合=20代前半・大卒で、月額給料が20~23万円程度です。各種手当てなどもあるでしょうから、20代では年収200~300万円前後でしょう。
公務員の場合は年齢が上がると給料も上がり、大卒40~43歳で、41万円/月額程度です。全体の平均年収では600~700万円となっています。
公務員は収入も安定していますが、行政機関の心理職は求人も少なく、倍率が30倍などの所もあるようです。
民間企業に就職した場合(常勤正社員)の収入(給与・年収)
民間企業全体の平均では、大卒41歳男性(勤続年数12年)の給料で37万円/月額程度です(年収450万円前後)。臨床心理士の採用は企業や条件によっても違いますが、一般的には実務経験者を中途採用することが多いようです。給料は、月額20万円~30万円前後の条件が多いようです。正社員の求人は少なくなっています。
非常勤の場合の収入(給与・時給)
スクールカウンセラーや、企業や施設等に派遣される場合は、非常勤で時給の場合が多いです。スクールカウンセラーは時給が高く、5,000円前後です(自治体によって違います)。他は経験や勤務先によっても違い、相談員などの給料は、時給1,000円~4,000円程度が多いようです。
臨床心理士の収入全般について
臨床心理会の調査によると、臨床心理士の収入は、年収で200~300万円が17%、300~400万円が20%、400~500万円が14%となっています。さらに、53%が非常勤と不安定な勤務形態が半数以上です。
全体としては、臨床心理士の収入は、年収で300万円前後が多いようです。最も難しく、信頼度の高い臨床心理士でさえ、この状態です。多くの臨床心理士は、非常勤を掛け持ちしながら実績を積み、常勤または開業の道を探しているのが実態でしょう。
② 産業カウンセラーの収入(給与・年収)
産業カウンセラーは、一般社団法人「日本産業カウンセラー協会」が認定する資格となり、産業カウンセラーとシニア産業カウンセラーの2種類があります。大学の心理学関連の単位を取得するか、または協会が行う養成講座を修了すると受験資格が得られます。
人事・労務部や営業部などに既に所属している方が、資格を取るケースが多いようです。職場のメンタルヘルス対策の援助、人間関係開発への援助、キャリア開発への援助などの仕事になります。
常勤の場合の収入(給与・年収)
企業内での、教育研修や相談業務、メンタルヘルス対策提案など、幅広い業務があるようです。実務経験など、それぞれの企業により採用条件や給料は異なります。正社員なら、月額20~30万円、年収300~500万円程度の所が多いようです。実務経験が条件となっている所が多いです。従業員支援プログラム(EAP)を行っている企業の求人が増えているようです。
非常勤の場合の収入
非常勤の給料は、時給1000円~2500円程度の所が多いようです。
③ 精神保健福祉士(給与・年収)
精神保健福祉士は、保健福祉系の国家資格です。資格取得のルートは沢山ありますので、詳しくは、下記リンク先でご案内をしています。
<1> 精神保健福祉士とは? 精神保健福祉士は精神保健福祉法に基づく国家資格となります。精神保健の向上および精神障害者の福祉の増進に寄与することを目的としています。 医療機関や福祉機関で精神障害者の治療の援助や訓練指導、社会復帰に[…]
精神保健福祉士の求人は、精神病院などが多いようですが、福祉・介護関係や企業の求人も結構あるようです。その意味では、収入につながりやすい資格と言えるでしょう。ただ福祉系なので、必ずしも相談業務とは限らず様々なサポート業務があります。仕事の大変さの割には、給料は高くはないようで、年収としては、250万円~400万円の所が多いようです。
常勤の場合の収入
給料は、月額20万円前後から30万円程度が多いようです。
非常勤の場合の収入
非常勤の給料は、時給1000円~2000円程度の所が多いようです。
【2】
その他の民間資格の場合
民間団体や協会などが認定する資格の場合は、資格がすぐに収入につながるというわけではありません。
それなりに実務経験や専門分野での実積がある方は、独自に活動して収入を得ることもできるでしょう。カウンセリングルームに登録して、在宅で、電話相談やメール相談をされている方もいます。その他の民間資格の場合の収入は、個人の努力次第と言えます。
職業の収入は、需要と供給のバランスによって決まります。
心理カウンセラーは需要が少ないので、臨床心理士の資格を持っていても半数以上が非常勤で掛け持ちしているのが実態ですから、心理カウンセラーの資格だけで生活するのは、結構大変というのが現実でもあります。
相談業務では実務経験が重視されるので、実績を積んでステップアップを目指す方が多いようです。心理カウンセラーは大変ですが、やりがいのある仕事です。また心理学の知識は、自分や家族のためにも大いに役立ちます。その意味では、収入につながらなくても人生の財産になるのではないでしょうか。
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心理学やカウンセリング技法を学ぶことは、自分自身やまわりの人への理解が深まり、 人間関係能力 や コミュニケーション能力 を向上させることが出来ます。その結果、人間関係を良好に保つことが上手になり、対人関係から生まれるストレスを大きく軽減すること が可能になりますので、人生の幸福度が上がるという大きなメリットがあります。
もちろん、心理カウンセラー資格を取得して 相談業務 などの仕事をしたり、 独立開業 して自分で人の役に立つ仕事をしていくことも可能です。
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