教育心理学とは何なのか?発達心理学とは違う特徴がある?






教育的な観点から心理学を応用しようとするのが教育心理学で、乳児期から青年期にかけての心や知能の発達、人格形成を扱う学問です。

教育心理学の詳しい内容や、同じく人間の成長や発達を研究する発達心理学との違いについても解説致します。

1.教育心理学とはどんな学問?

教育心理学で研究対象となるのは乳児期から青年期までの精神と知能の発達、そして人格形成などと教育との関係性についてです。

乳児期から青年期にかけて学校や塾、家庭などでさまざまなところで教育を受けます。

その中で起こるいろいろな現象や問題を明らかにして、より効果的な教育方法を見つけようとするのが教育心理学です。

成人するまでに受ける教育から人間は大きな影響を受けます。

より効果的な教育を実践するために、心理的な側面から配慮すべき問題などを検討して実際に教育の現場で生かすことを目的としています。

教育心理学では心理学的に学習にかかわる大切な事柄について学習していくのですが、具体的にはより効果的な教材の使い方や学習の動機付けについて学びます。

他に一人ひとりの生徒の個性を配慮して個性を伸ばしながら同時に社会性の発達を促すための指導法や、学校や学級という集団学力についても学びます。

また発達障害の特徴や指導のあり方などについても教育心理学の研究テーマとなります。

教育心理学でテーマとなるのは成長や発達、人格、学習、評価、学級、教師児童との関係、特殊児童の心理などで発達心理学との関わりも深い学問です。

2.発達心理学とはどんな学問?

教育心理学とつながる部分も多いのが発達心理学です。

教育心理学で研究対象となるのは人間の一生涯の心と身体の成長や発達の過程で、心理学の理論をもとにして研究をしていきます。

人間の加齢に伴う発達の変化について研究するのが発達心理学で、一生涯を研究対象とするために生涯発達心理学と言われることもあります。

以前は成人するまでの過程が発達であると考えられていたのですが、今は老年期まで人は発達、変化を続けるものであると考えるようになっています。

ですからそれに伴って発達心理学の研究対象も成人までではなく加齢に伴う人の一生涯の成長や発達過程となっています。

発達心理学では発達段階ごとに、幼児心理学、児童心理学、青年心理学、老年心理学という区分があり、各発達段階での心理的課題や起こりうる問題、主な関係性について学んでいきます。

近年ではさらに胎児期や壮年期の研究も進められています。

3.教育心理学との違いは?

教育心理学と深い関わりがある発達心理学ですが、この2つの心理学では主に研究対象が違います。

乳児期から青年期までを研究対象とするのが教育心理学ですが、発達心理学では生まれたばかりの乳児期の子供から成熟期と言われる老人まで人の一生涯が研究対象です。

また教育心理学では、成長や発達についても研究テーマとなりますが教育との関係性が深いことも大きな違いです。

発達心理学では各発達段階での精神や身体、社会的な発達が研究されるのですが、教育心理学ではそれに加えて教育との関係性が取り上げられます。

教育心理学で目標となるのは、乳児期から青年期までの発達について理解してそれを教育に活用することです。

4.教育心理学からの動機付けについて

教育心理学では学習に関わる心理学について理解してそれを指導に生かしていくのですが、そこでは生徒への学習の動機付けについても学んでいきます。

動機付けとはモチベーションとも言われますがこの定義は行動の原因となって行動を始動させ目標に向かわせる力、欲求です。

学校でも塾でも重要になってくるのが授業の質の高さですが、どんなに優秀な教師や講師がいても生徒自らが積極的に学ぼうという意欲や意志がなければ学習効果も上がらないでしょう。

せっかく良い授業内容を提供しても生徒のやる気がなければ効果も上がらないので、生徒の動機付けも非常に大切になってきます。

教育心理学ではこの生徒自らの学習意欲を高めて学習効果を上げるために欠かせない動機付けについても学ぶことができます。

ではこの動機付けですが、目標を達成したいという欲求を生徒自身が持つ必要があるということで、これがないとどんなに良い授業をしても生徒が主体的に授業を受けてくれません。

人にはさまざまな欲求があるのですが、教育の場面で用いられる動機付けは大きくこの2つがあります。

  • 外発的動機付け
  • 内発的動機付け

4-1.外発的動機付け

外発的動機付けとは、学習内容とは直接関係のない外部の事柄がモチベーションとなります。学習することが外部の目標を達成するための手段となっていることを外発的動機付けと言います。

例えば成績が上がれば欲しかったゲーム機を買ってもらえるからテスト勉強を頑張るという報酬がモチベーションになることもあれば、友達の○○君には負けたくないという競争がモチベーションになることもあります。または目標とする学校で高校生活を過ごしたいということがモチベーションとなったり、親から叱られるのを回避することがモチベーションとなることもあるでしょう。

このように、ここで挙げた例は全て学習することそのものが目的ではなく、成績が良くなることでもらえる報酬や競争で勝つという結果がモチベーションになっています。

ただしこの外発的動機付けだと、確約された結果がモチベーションになっているのでそれが無くなることで一気に学習意欲が無くなる可能性が大いにあります。

ですから教育界では外発的動機付けはあまり好ましくないとされていますが、学習のきっかけ作りとしては手っ取り早く簡単です。勉強に苦手意識があるとなかなかやる気も出てきませんし、結果も出ないのでますます勉強嫌いになるケースも多いです。

しかし、何かご褒美のために頑張って勉強しようとするやる気を出せることで一度結果が出れば、それがその後のやる気にもつながり勉強そのものにやる気を出すケースも多いはずです。

学校や塾はもちろん、宿題などのモチベーションを高めるためにも上手に利用したいものです。

4-2.内発的動機づけ

内発的動機付けは、勉強すること自体が目的となっています。

学習内容そのものに対して知的好奇心や興味のある状態のことで、学ぶことが楽しい面白いという状態が内発的動機付けです。

学ぶこと自体が目的となっているので、外発的動機付けのようなご褒美や競争に勝つというような動機付けはありません。生徒自らがもっと知りたい、学びたいという欲求が内側から湧き上がってくることが内発的動機付けで、これがあると常に高いモチベーションが維持できます。

やはり教育の効果を高めるためには外発的動機付けよりも内発的動機付けの方が大切です。ですから教師や塾講師はどのようにすれば生徒にとって興味深い授業になるのか、知的好奇心をくすぐる授業内容になるのかを研究する必要があります。

しかし勉強をしていると躓く場面も出てきてここで学習意欲が失われることもあるのですが、内発的動機付けを維持するために有効なのが成功体験を積ませることです。

なかなか成績が伸びない生徒に対してレベルの高い難しい問題の解き方を教えるよりも、基礎となる簡単な問題から解かせ正解させるという成功体験を積ませることで自身を取り戻すことができます。

内発的動機付けは挫折する場面もありますが、成功体験による自信が新たな学習意欲につながります。

乳幼児から青年期にかけての成長や発達などを理解しながらより効果的に心理学を教育に応用をしようとするのが教育心理学で、発達心理学とも深いつながりがあります。