臨床心理士になるには?<資格取得方法・仕事内容・収入>





 

臨床心理士は心理関連資格の中で最も信頼性が高く社会的にも通用する資格です。

臨床心理士の資格を持っていれば様々な機関の心理職への就職が有利になる上に、例えば開業などで専業として心理カウンセラーを仕事にしたいという場合についても、①相談者(クライエント)に対する信頼性の証明 ②豊富な心理カウンセリング知識 という意味でも非常に有利であり、必要な資格とも言えます。

ここでは、

  • 臨床心理士とはどの様な資格なのか
  • 臨床心理士の資格の取得方法
  • 臨床心理士の仕事内容や求人状況
  • 臨床心理士のケース別収入
  • 独立開業するために

これらについて解説を行なっていきます。

心理カウンセラーとして独立開業を目指している方や、心理職として企業に勤めたい方など必見の情報ですので、是非ご参考にしてください。

 

1. 臨床心理士とは?

臨床心理士とは、心理学にもとづく知識や技術を用いて人の心の問題解決を援助する専門家です

TVなどで見かけると思いますが、『心の悩みを抱えている人の相談に乗ってカウンセリングをする』という心理カウンセラーのイメージに最も近いのが臨床心理士でしょう。学校などで心理カウンセラーの仕事を行いたい場合にはスクールカウンセラーがありますが、これに任用されるの者の多くは臨床心理士となっています。

それでは、具体的に臨床心理士とはどのような仕事をするのでしょうか?

公益財団日本臨床資格認定協会では、臨床心理士に求められる行為は以下のようにされています。

  1. 種々の心理テストを用いての心理査定技法や面接査定に精通していること
  2. 一定の水準で臨床心理学的にかかわる面接援助技法を適用して、その的確な対応・処置能力を持っていること。心の支援に資する臨床心理士の最も中心的な専門行為
  3. 地域住民や学校、職場に所属する人々の心の健康や支援活動をすること。一般的な生活環境の健全な発展のために心理的情報を提供したり提言する活動も地域援助に含まれる
  4. 上記1.~3.に関する調査/研究

 

2. 臨床心理士の資格取得のための費用

費用

臨床心理士の資格を取得するためには、非常に多くのお金と時間が必要になってきます。

そもそも、臨床心理士の試験を受ける条件として大学院修了が条件になってきますので、大学4年と指定大学院3年の勉強が必要になります。その両方合わせると学費だけでも数百万円かかります。

別の方法として、通信制の大学課程や放送大学などを利用するケースがありますが、この場合、100~200万円程度に費用を抑えることができますが、やはり時間と強い意志が必要となるでしょう。それだけ専門知識が必要ということです。

臨床心理士の資格を取得する条件を揃えるだけでも、これだけの費用と時間がかかりますから、『本当に臨床心理士を目指したいのか?』を考える事はとても重要です。将来のビジョンを明確にし、強い意思で臨みましょう。

 

3. 臨床心理士の仕事・求人

臨床心理士の活動領域は、教育・医療・司法・福祉・産業など多岐に渡ります。もちろん仕事や求人もそれらの所となる訳ですが、裁判所や少年院などの心理職として働くには、別途公務員試験に合格しなければなりません。安定的な収入と雇用の確保が得られるという理由から公務員はとても人気ですが、それに伴って、心理職公務員は希望者が多く難関になっています。

臨床心理士の仕事の場

臨床心理士の仕事の場としては、以下のようなところがあります。

  • 教育分野
    スクールカウンセラー・教育センター・教育相談機関・高校や大学の学生相談の対応などの仕事
  • 医療/保健分野
    精神科/心療内科などの病院・保健所/保健センター・リハビリテーションセンター・精神保健衛生センターなどでの仕事
  • 福祉分野
    児童相談所・療育施設・障害者福祉センター・老人福祉施設・就労支援施設・生活相談センターなどでの仕事
  • 司法・矯正分野
    家庭裁判所・少年院・刑務所・保護観察所・児童自立支援施設・警察関係などでの仕事
  • 労働/産業分野
    企業内相談室・安全保健センター・職業安定所・就職支援・障害者職業センターなどでの仕事

上記の就職先は雇用を受ける場合になりますが、もちろんご自身で独立開業し、カウンセリングを行うという道も選択しとしてあります。

臨床心理士の求人状況

臨床心理士の仕事の場は多岐に渡ることはご説明した通りですが、現実として安定収入が得られる求人が少ないのが現状です。

臨床心理士の求人には大きく分けて2通りあります。

ひとつは、相談業務や心理査定などの専門的な心理職としての求人です。これはカウンセリングなどの心理職としての需要が少なく、求人も一日に数時間とか週に3日などという非常勤が多くなっています。

ふたつめは、常勤として健康管理全般や援助のコーディネイト全般に関る求人です。当然常勤の場合は相談業務に限らず、援助に関る計画立案や運営、教育、事務作業など様々な業務があるでしょう。常勤の場合は、専門知識の他に一般のビジネス社会で求められるようなスキルも必要になります。

臨床心理士の約半数は、非常勤の仕事を複数掛け持ちでやっているのが現状です。

 

4. 臨床心理士の収入

狭義の「心理カウンセラー」の専門行為だけをやりたいのなら、非常勤契約にならざるを得ないのが現実でしょう。常勤で安定収入を得たい場合は、公務員になるか、臨床心理士の知識を生かしてその周辺業務まで幅広くこなすのが求められるでしょう。臨床心理士として働いている人は年収300万円~400万円前後が多いようです。

常勤の場合の収入

常勤の場合は、一般の会社員と同程度と考えて良いでしょう。福祉関連のNPO法人など小規模の所は低めですし、大規模の場合はそれなりの待遇はあるでしょう。求められる業務の範囲にもよります。例えば、民間企業で従業員のメンタルヘルス等に関る業務であれば、人事や労務・総務的な業務も含まれます。

それでは、具体的な求人の例を挙げてみましょう。

  • 児童発達支援施設の求人の場合
    【仕事内容】支援計画の立案と実施・指道・相談ルームの運営に関る業務全般・相談業務
    【給与収入】正社員で300万円~ / 時給で1500円~
  • 社員の健康相談等担当の求人
    【仕事内容】社員の健康管理、啓蒙・教育のプラン提案や研修、安全管理、カウンセリング業務やそれらに関る業務全体、および総務的な業務
    【給与収入】正社員で300万円~480万円
  • 病院の求人
    【仕事内容】心理査定、所見作成、カウンセリング、家族への相談業務、各種心理療法の実施および報告など
    【給与収入】月額25万円~

非常勤の場合の収入

非常勤の求人は結構あり、中には”資格取得見込み者OK”のところもありますが、実務経験が必要とされるところがほとんどです。

時給が高く代表的なのはスクールカウンセラーでしょう。スクールカウンセラーは時給で4000~5000円程度です(任用の自治体によります)。最近ではメンタルヘルス・チェック義務化に伴いプログラムを提供する企業も増えています。そのような企業に登録契約して、従業員のカウンセリング相談に派遣で行くという形も多いようです。

非常勤の場合は、時給1500円程度または日給1万円程度のところが多いようです。経験やスキルによって時給は違い、努力次第では上がる可能性はあるでしょう。複数を掛け持ちして年収で300万円前後というケースが多いようです。女性が結婚や出産後に、短時間でも専門性を生かして仕事をしたいという場合は良いかもしれません。

 

5. 臨床心理士として独立開業する道は?

臨床心理士として経験を積んで、カウンセリングルームなどを独立開業される方もいらっしゃいます。

大体はそれまでの経験や人脈を活かして、自分の専門分野や得意分野を持っているようです。しかし、カウンセリング需要は皆さんが思っている以上に多くはないので、現実的には都市部など人口の多い所での開業に限られるでしょう。

カウンセリングの1回の料金は5000円~1万円程度が多いようで、相談者が毎日一定数来てくれればある程度の収入になるでしょう。独立開業するためには専門知識は勿論ですが集客や経営努力が必要とされます。

 

6. まとめ

この記事のまとめ

臨床心理士の資格取得には多大の費用と時間がかかります。

心理職としての専門性を生かしながら安定収入を得るのはなかなか難しい難しいですが、正規職員として雇用されたり、独立開業により安定的な集客が行えるようになれば、大きな収入を得られる可能性も秘めています。

最近はメンタルヘルスへの関心が高まっていますので、専門知識を持ちながらビジネススキルを磨くと活躍の場も広がるでしょう。折角の資格を無駄にしないために、臨床心理士の資格取得後にどのように活用するかをしっかりと考えて、将来プランを立てることが大切です。

 

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